東日本大震災 あの日を忘れない-浦学の3.11-
震災から3年。
浦和学院高等学校でも、石巻交流活動(訪問33回、招待14回)の思いを胸に、
それぞれが、被災地に黙祷を捧げた。
午後2時40分、「花は咲く」のBGMが校内に流れた。司会の進行の下、
被災を経験した理科講師の畠山(石巻交流センター特任センター長)が、
以下のメッセージを発信した。
◆畠山からのメッセージ
今日は、東日本大震災が発生してから3年目となります。本校は震災発生以来、支援と交流に継続的に力を注いできました。さまざまな方々から感謝されています。これからも浦学らしいボランティア活動を継続しましょう。
この震災では、行方不明者を加えて2万人が亡くなりました。震災後のストレスなどによる震災関連死はこれからますます増えるでしょう。福島県では、関連死の人数1,600人が津波で直接亡くなった方の数を上回りました。
今、被災地は瓦礫がなくなっただけです。高台や災害公営住宅への転居が、この春から少しずつ動き出します。人にとって、住む家とやるべき仕事がないことほどさみしく、つらいことはありません。さらに、家族を亡くした人は、一生それを引きずって生きなければなりません。生き残った自分を責め続けるのです。
被災地の復旧・復興は、これからが本番です。新しい町づくりが始まります。被災地にいない私たちにできることは、三つです。一つは、震災という事実を忘れないことです。被災者は忘れ去られることを最も嫌がります。被災者に「あなたたちのことを忘れていません、一緒にがんばりましょう」というメッセージを届けましょう。もう一つは、自分たちが住んでいる地域ぐるみで防災計画を見直し、あらゆる災害に備えた避難訓練や避難所運営訓練をしっかり行うことです。生活の基本に防災を取り入れることです。それは、無念にして亡くなった2万人の尊い犠牲を無駄にしないことでもあります。さらに、チャンスがあったら結構ですが、一度被災地に出かけ、自分の眼で現状を確かめることです。被災地に行くことは最大のボランティアだ、と私は思っています。現地の廃墟に立って肌で感じてください。被災者と触れ合ってください。何でもいいのでお手伝いをしてください。現地にいった経験が自分のこれからの生き方に大きな影響を与えます。被災地に行って”元気”と”やる気”と”勇気”を持ち帰りましょう。
被災地は、毎日が被災との闘いです。被災者にとって、震災は終わっていません。毎日が”3,11”なのです。
これから皆さんと一緒に亡くなった方々のご冥福を祈って黙とうをささげましょう。被災者の死を通して、生き残っている私たち、生かされている私たちの生きる意味、この人生でこれからなすべきことに思いを致しましょう。
◆黙祷に先立ち、畠山が東北放送のラジオに出演した。
↓クリックしてお聞き下さい。
◆在校生には、震災関連マンガ本「語り部 畠山卓也 ~石巻の声~」が
全員に配布され、ライフスキル教育への関心を高めた。
本は、同窓会から在校生全員にプレゼントしていただいた。
企画部 H.K